2013年7月29日月曜日

蒸し暑さ

 蒸し暑いこの季節、体調不良を起こす方が多くなります。
(ここでのお話は暑さよりも、湿気による蒸し暑さを主体としたお話です。ほんとは梅雨時期のお話です。)

 湿気は不快だけでなく、身体には「怠い」「重い」という感覚とともに「浮腫」などを起こし易くなります。「下痢」したり、「煩熱」といって熱が籠った感じがして「喉・鼻が腫れや痛み」が出る事も。

 これは汗が出にくいという事が原因となります。
”外湿”と言って外気の湿気が多くなると、皮膚表面から蒸発・発散される汗が出にくくなります。そうなると皮膚から出ない汗はお肌の部分に停滞することになり「身体が重い」という感じになってきます。そして湿気の停滞が進むと「浮腫」に発展してしまいます。

  また、皮膚から発散される汗は元々は胃腸から飲食物を取り入れて吸収された水分です。外へ排泄される水分の流れが停滞する事で、吸収する胃腸の方も働きが停滞してしまいます。胃腸が停滞すると、エネルギー補充が弱るので「怠い」という状態になってしまいます。

 そもそも汗は身体の熱を調節する為の機能です。(排泄として老廃物も一緒に出ます。)皮膚表面の陽気と津液の津という体液によって身体の熱を汗として調節しています。
汗が出ないだけで身体の熱発散が出来なくなるので、熱が籠った感じがする様になるのが「煩熱」です。

 暑いし、熱が籠るのから冷たい物をガンガンに飲食すれば胃腸が冷えてやはり下痢になったり、クーラー等でガンガンに冷えると汗がでないどころか身体が冷えて風の初期症状の様に鼻や喉の症状が出てきてしまいます。夜のクーラーで喉がガラガラになる人も多いです。

よってこの季節は汗のコントロールと胃腸を冷やさないというのが重要な季節なります。

 汗を発汗させる為には、まず一日の中で必ず汗をかくべく少し運動する事が良いと考えられます。特に朝一の散歩やジョギングなどで寝てる間に排泄しきれない水分を出してしまうと一日が調子良いかと思います。または仕事終わった後のちょっとした運動。
筋肉を使って熱産生することでクーラーで冷えた身体の代謝も上がり老廃物も出易くなるので一日一回は身体を使って汗をかく事。

 また、暑くても吸水性の良い綿素材やリネンなどの長袖を来ている方が皮膚の汗を吸ってくれるので、身体の状態は良くなるかと思います。電車やクーラーの中で冷える事を避ける意味でも、何か長袖の羽織ものを持っている事をお勧めします。

 最後に暑い時こそ温かいお茶です。(ぬるくても良いです)
おばあちゃんの知恵の様ですが、胃腸を冷やさない方が怠さや体力低下を防げるのと、緑茶等は清熱作用があるので、この季節は良い飲み物です。

 夏本番前の湿気の季節を乗り切る為には汗のコントロールと胃腸を冷やさないのが基本です。湿気の多い季節をこの様に乗り切ると、夏の暑さ本番の時にも暑さに負けない身体になって行くと考えられます。

 うちの鍼の師匠は、胃腸を冷やしちゃいけないと言っても「ビールはしょうがない」って常々言っておりましたけどね(笑)


康鍼治療院
鈴木康玄



 



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